以上、上記の順位はそれぞれの公的機関に住宅の欠陥に関する相談内容の件数の順位です。圧倒的に、他の相談内容より群を抜いて、トップの順位であり、雨漏りのに関する相談内容がもっとも多く寄せられており、次に多いのは(外壁材のひびや亀裂)が2位で、外壁材自体が雨漏りや亀裂(ひび割れ)関する苦情、相談が多いことがわかります。このような雨漏りやひび割れに関するトラブル(苦情)相談件数はここ数年毎に増えてきております。
たとえば国民生活センターによせられた雨漏りの件数は、平成10年度は692件、亀裂等に関する件数は、685件で、新築住宅のトラブル相談件数は平成元年は、531件だったのですが、平成7年は、1,428件、平成10年が1947件と増加の一途をたどっております。
また、日本弁護士会連合会で実施している「欠陥住宅110番」では平成11年度は雨漏りに関する苦情相談件数181件、亀裂に関する相談165件となっており、新築住宅のトラブル件数は、平成平成8年度は702件、平成10年度は1,153件、平成11年度は、902件となっております。
こうしたトラブル件数は年々多くなっており、上記に表記したとおり、住宅の各種の瑕疵の中で、トップに位置するのが防水性能。雨漏りの苦情と修補があとをたたない状況です。中でも壁とバルコニーの雨仕舞不良による瑕疵が多く発生しているのが現状です。窯業系サイディングやバルコニーの施工は雨仕舞の悪い構造体ですので「最細の注意を払い、施工方法、施工手順などを間違えないようにしなければなりません」
(製品の施工構造上、目地などのシリコンが切れれば、どうしても雨が中に入ってしまう、継ぎ目の構造体ですので、施工する際の細心の注意が必要であることと、新築で施工した後、数年毎に必要な塗装などのメンテナンスを怠ると、窯業系サイディング外壁自体が反ってきて、雨が入りやすい、欠陥構造になってしまいますので、そうならないように、しっかり数年毎に目地や外壁材の補修メンテナンスをしっかりする事が肝要です)
また、防水性能の瑕疵による雨漏りは大きく分けて、屋根から・壁から・バルコニーからの3つ。
屋根の場合は瓦の破損、瓦の重ね施工方法が不足している、必要な屋根勾配が不足などが原因として考えられます。しかし、(財)住宅保証機構の保証住宅の瑕疵発生データーによると「屋根の雨漏りは案外少なく2割を切り、残り8割以上が壁とバルコニーから」(篠塚重夫検査部長)といい、原因は「新しい建材や工法が相次いで登場しており、雨仕舞施工の徹底不足にもある」と話しています。
外壁では窯業系サイディングの採用増とともに、その保管・継手不良による瑕疵が増えており、前出の篠塚部長は「少し注意をすれば防げる事故も多い」としたうえでサイディングは保管中絶対に濡らさない、反りを防ぐためクギは決められた場所に打つ、表面は防水処理をしてあるが、裏面はそれはないので壁対内結露が発生すると吸収してしまうので注意をする、などの徹底をよびかけています。
●シーリングの10年保証に論議
現在、防水性能の10年瑕疵担保責任で論議をよんでいるのがシーリング(隙間じゅうてん)材。それは「シーリング材そのものが10年もたない。その結果雨漏りがおきる」との心配があるため。建設省は「正しく施工すれば最低12年〜13年もつ」としていますが、そのリスクを考えて「性能を注文主にきちんと説明して。万が一のため一定期間が過ぎたらシーリングのやり替えを行うことを念頭に入れ対処したい」(篠塚部長)と呼びかけている。
※(財)住宅保証機構の資料より
最近の住宅はモルタル壁の厚さが建築基準を満たない厚さの薄いモルタル壁が多く、今まで、アルミサイディング外壁の外断熱リフォームしてきた中で、既存のモルタル壁の厚さの平均が8mm〜10mmくらいの厚さしかない、モルタル壁が数多くあり、築10年くらい以内の比較的築年数の新しい住宅が殆ど、建築基準法では16mm以上にしなさいという規定があるのですが、その基準法に定めている厚さ(16mm)に満たない、基準法でいけば、明らかに違反建築である住宅が数多く増えてきました。
モルタル壁が薄い分、ひび割れ・亀裂などが生じやすく、外からの雨水が壁内に入りやすく、雨漏りの原因になっていることも当然で、さることながら、別記事にも書きました、阪神大震災による住宅倒壊による原因の多くはこのようなモルタル壁でモルタル壁を支えているラス網が錆びて、ぼろぼろになっている壁の住宅がほとんど倒壊していたという専門家の調査結果のデーターが出ています。 |